診療内容

耳の病気6
鼻の病気3
くち・のどの病気5
甲状腺の病気2
こどもの病気5
アレルギー4
頭頸部・口腔の癌4

耳の病気

耳は外から外耳・中耳・内耳に分かれています。
外耳は耳の入り口から鼓膜まで中耳は鼓膜の奥の部屋、その部屋は鼻の奥へと繋がっています。
内耳は主に神経で、聞こえの神経やめまいの神経につながります。

外耳の病気

耳あか

体質により湿った耳あか、乾いた耳あかがあります。

POINT
  • 耳には耳あかを自然に外へだす自浄作用が備わっています。
  • 耳掃除は耳の入り口付近を優しく拭うようにしてください。
  • 外耳道(鼓膜までの道)は傷つきやすく、耳掃除する際はお風呂あがりなど湿った時になるべく優しくしてください。

耳垢自体は病気ではないので通常は自然に外へ排出されますが、耳かきや綿棒などで押し込んでしまうと鼓膜付近で滞留して、難聴の原因となります。 栓塞といい、耳あかが耳栓のようにたまってしまうと重篤な外耳炎や中耳炎を引き起こすため治療が必要です。

症状
耳垢が溜まると、耳の聴こえが悪くなることがあります。
また、詰まったような感じ(閉塞感)や、耳がガサガサして不快感を感じることもあります。
当院での治療方法
専用のピンセットのような器具を用いて除去を行いますが、耳垢が固くなったれないような場合には耳垢を柔らかくする薬を処方し、柔らかくしてから後日除去する場合もあります。
院長より
頻繁に耳かきを行う必要はありません。特に綿棒を使うと奥に押し込んでしまうことが多くありますのでお気をつけください。お年寄りの方などは聞こえが悪くなったと受診されて耳を診察すると大きな耳垢で鼓膜が見えなくなっているような場合もあります。ご自身で無理をせず、3ヶ月~6ヶ月に1度程度、耳鼻咽喉科で耳垢の有無を確認するようにしてください。
学校健診で指摘された、においや違和感、小さなお子様で家で掃除ができないといった際にはご相談下さい。

外耳炎

鼓膜までの道を外耳道といいます。
そこに炎症を起こすと外耳炎になります。

POINT
  • 多くは耳掃除のやりすぎで起こります。

外耳の皮膚は薄くて、傷つきやすく、傷がつくとさらに痒くなります。耳かきでの掃除は避けるようにしてください。
みみかきでの掃除を続けると、外耳炎を繰り返し、稀に外耳道癌まで生じる場合があります。

症状
耳の痒みが主な症状です。
痛みが出現すれば外耳炎から中耳炎、また皮膚を伝って炎症がひろがり耳介全体の痛みを生じる場合があります。
当院での治療方法
外耳をきれいにし局所治療をおこないます。
カビや強い菌が繁殖している場合は洗浄、また内服薬で治療をおこないます。
院長より
耳かきでの耳掃除はさけるようにしてください。外耳道は皮膚が薄く耳かきや頻回の耳掃除で傷がつくと、かさぶたが痒くなるのと同じようにかゆみが続いてしまいます。
繰り返す場合は定期的な観察が必要です

中耳の病気

中耳炎

中耳炎には菌の感染に伴う中耳炎、液がたまる滲出性中耳炎など色々な種類があります。お子さんの多いのが急性中耳炎や滲出性中耳炎、そしてご高齢の方に多いのが慢性中耳炎です。
とくにお子様は鼻から耳の機能が未成熟であり大人より中耳炎にかかりやすく、また反復しやすいため注意が必要です。

POINT
  • 鼻やのどの風邪から、耳の痛み、耳だれがあれば中耳炎でしょう。
  • 周りが静かになる夜間に痛みや違和感(耳がつまったかんじ)を感じることが多いです。
  • 小さなお子様は耳を触るしぐさがあると中耳炎の可能性があります。
症状
急性中耳炎:耳の痛みや高熱、鼻水や咳などの風邪の症状を伴う場合も多いです。
滲出性中耳炎:耳の詰まった感じ(耳閉感)、難聴など
慢性中耳炎:耳だれ(耳漏)、難聴など
当院での治療方法
それぞれの中耳炎によって治療法は異なります。また、耳鼻咽喉科ではお薬の服用だけではなく処置によって治癒に向かわせる選択肢も持ち合わせています。
耐性菌(薬が効きにくい菌)による中耳炎を疑う場合は菌検査をおこないます。
鼻から耳管(耳と鼻をつなぐ道)に沿って感染を起こしている場合がおおく、鼻の処置・ネブライザーをおこなうことにより症状の改善をはかります。
患者さんそれぞれの症状に応じて最適な治療法を選択します。
院長より
上記に挙げた代表的な中耳炎だけはなく、アレルギーに由来する好酸球性中耳炎や鼓膜の内側で真珠腫と呼ばれる白い真珠のような塊をつくる真珠腫性中耳炎などほかにも様々な中耳炎が存在します。痛みなど耳に明らかな異常を感じたときはもちろんですが、聴こえに違和感を感じたような場合なども中耳炎が隠れている場合があるため、お気軽にご相談ください。

内耳の病気

聞こえの神経、めまいの神経、顔面の神経は近くを走行しています。
聞こえの神経が悪くなると難聴や耳鳴、耳閉感(こもった閉塞感)が出現します。

突発性難聴

ウイルス感染によるもの、耳の神経への血流障害など様々な要因が考えられるものの、明確な発症のメカニズムがわかっていない難聴です。

POINT
  • 突然片側の難聴や耳鳴り、耳閉感(耳がこもる)がおこります。
  • 治療は発症後早く開始するほうがよい。
  • 治癒率は30%程度で、難聴が残る方もおおい。
症状
突然耳が聞こえにくくなり、耳がつまったように感じたり(自閉感)あるいは耳鳴りやめまいなども起こす方もいらっしゃいます
当院での治療方法
突発性難聴はすぐに治療を開始すればするほど回復に向かう可能性が高い病気です。ステロイドの服用・点滴やビタミン剤の服用をすぐに開始致します。(重度の突発性難聴の方は場合によってはご紹介の上で、病院に入院して治療を受けていただく場合があります。)
院長より
受診が遅れてしまうと症状が固定化してしまう場合が多いため、突然の難聴を感じた場合には一刻も早く耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。

顔面神経麻痺

POINT
  • 突然顔面の麻痺が出現します。
  • ウイルス感染(ヘルペス)によるものもあり、抗ウイルス薬やステロイド剤によって治療します。
  • 脳梗塞や腫瘍によっておこる場合もあります。
症状
突然顔面の麻痺が出現します。涙がでる、額のしわがなくなる、まぶたが下がる、口から水がこぼれるといった症状です。
当院での治療方法
すぐに治療を開始すればするほど回復に向かう可能性が高い病気です。ステロイドの服用・抗ウイルス薬によって治療をおこないます。(場合によってはご紹介の上で、病院に入院して治療を受けていただく場合があります。)
院長より
受診が遅れてしまうと症状が固定化してしまう場合が多いため、顔面の違和感を感じた場合は受診するようにしてください。

めまい(メニエール、頭位めまい症)

めまいの原因はさまざまなで、耳鼻咽喉科で扱うめまいは耳が原因となる耳性めまいですが、その耳性めまいの中でも様々なめまいが存在します。

POINT
  • 一番多いのは、頭を動かすとおこる良性発作性頭位置めまい症で、通常は数週間で自然に軽快します。
  • めまいと同時に難聴や耳鳴、耳閉感(こもった感じ)が起こるとメニエール病などの可能性があります。
症状
ぐるぐる回っているようなめまい、ふわふわと地に足がつかない心地のするめまい、立ち眩みをするようなめまいなどめまいには様々な症状があります。その症状が、めまいが何が原因で生じているか?を知る手掛かりにもなります。
当院での治療方法
まずは耳鼻咽喉科の中で対応できる「耳性のめまい」なのか?あるいは脳の疾患(脳腫瘍や脳梗塞)など、耳鼻咽喉科以外の領域のめまいなのかを診断し、耳鼻咽喉科領域と推定される場合にはさらにめまいの種類に応じた治療を行います。耳鼻咽喉科領域以外と診断された場合には他科へご紹介を行います。
院長より
耳鼻咽喉科領域のめまいのなかにも良性発作性頭位めまい症やメニエール病、前庭神経炎など複数のめまいの種類が存在します。耳の検査をしっかりおこなえることが耳鼻咽喉科ならではの特徴ですので、検査を行いながら眩暈の種類を推定してゆきます。
めまいはストレスが引き金となって起こることも多いため、生活習慣や仕事のスタイルの見直しなどをご提案する場合もあります。

鼻の病気

粘膜が腫脹し空気の通り道が狭くなる

鼻の穴のなかには上・中・下鼻甲介とういう粘膜の突起があります。腫れると鼻がつまります。
ほっぺた、ひたい、眼の間には、みな空洞があります。
空洞はまとめて副鼻腔といいます。
また鼻の前方には血管が集まっており(キーゼルバッハ部と言います)、
鼻出血の主な原因となっています。

アレルギー性鼻炎(花粉症)

副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔炎は昔はちくのう症とも呼ばれていた病気です。
ほっぺた、ひたい、眼の間には、みな空洞があります。
通常は空気がはいっていますが、炎症を起こし膿がたまると副鼻腔炎と言います。
風邪をひいた後で、細菌やウイルスがその副鼻腔で炎症を起こすことで生じるのが急性副鼻腔炎、急性副鼻腔炎が慢性化してしまったものが慢性副鼻腔炎です。

POINT
  • ほほの痛みや頭痛、どろっとした鼻水、鼻がのどへ落ちる、変な匂いがするといった症状が生じます。
症状
急性副鼻腔炎:鼻づまり、黄色(緑色)の粘り気の強い鼻水、頭痛、顔面の痛み違和感
慢性副鼻腔炎:鼻づまり、後鼻漏(鼻水がのどへ流れていく)、嗅覚の低下、鼻茸、頭重感、集中力の欠如など
当院での治療方法
レントゲン、CTやファイバースコープを用いてお鼻の中を観察、診断します。状態に応じて抗菌薬の投与や通院での処置・ネブライザー療法など様々な治療を組み合わせて治癒に導いてゆきます。慢性副鼻腔炎にはマクロライド系抗生物質の少量長期投与を行うことも検討し、それでも改善が見られない場合には手術を検討します。
院長より
お薬での治療も大切ですが、副鼻腔炎の方は溜まった鼻水はすするのではなく、できるだけティッシュでお鼻をかんで外に出していくようにしてください。お子さんなどでお鼻をかめないような場合には市販の吸引器も有効です。お鼻の吸引・ネブライザー療法で定期的に通院していただくことも治療にはとても有効です。

鼻出血

鼻血は誰でも経験があると思いますが、鼻血を繰り返す方やなかなか止まらない方は注意が必要です

POINT
  • 鼻血のほとんどは鼻の入り口近く(鼻の穴から入ってすぐ内側)のキーゼルバッハという部位から出血します。
  • やわらかい綿花を丸めて挿入し、はなをつまんで圧迫することによりほとんどは止血します。

なかなか止血しない場合、奥の動脈やほかの原因が考えられ耳鼻咽喉科での処置が必要です。

症状
鼻の内部には血管が多く集まっており、また通常の皮膚とことなり鼻の粘膜は薄いため、少しの外部からの刺激で出血が起こりやすくなります。
当院での治療方法
止まりづらい鼻出血については、ガーゼやタンポンを詰めて止血したり、場合によっては粘膜を焼灼して出血を止めます。出血が止まりにくい持病をお持ちの方や高血圧や動脈硬化の持病をお持ちの方で血液をサラサラにするお薬を常用されている方などは一度出血すると止まりにくい傾向があります。
院長より
小鼻(鼻のふくらんだ部分)を強くつまんで(圧迫する)、顎を引いて下を向き、5分~10分ほど安静にしていれば多くの鼻血は止まります。10分以上止血を試みても血が止まらないような場合は耳鼻咽喉科を受診してください。

くち・のどの病気

  • 舌の後ろには乳頭があり、ときどき腫瘍(出来物)のように見えてしまうことがあります。
  • 口蓋垂(のどちんこ)のそばには扁桃腺があります。
    免疫に関連している組織であり、炎症を起こすと腫れ、痛み、発熱をきたします。
  • のどの奥(のど仏の裏)には声帯があり発声します。炎症や腫瘍により嗄声(声がれ)や呼吸苦をきたします。

扁桃の病気

聞こえの神経、めまいの神経、顔面の神経は近くを走行しています。
聞こえの神経が悪くなると難聴や耳鳴、耳閉感(こもった閉塞感)が出現します。

扁桃・アデノイド肥大

扁桃腺はリンパ組織なのでからだの免疫をととのえる仕事をしています。口蓋垂の横には口蓋扁桃、鼻の奥にはアデノイドがあります。
子供のあいだは大きく、7歳前後をピークに小さくなってきます。
扁桃やアデノイドが大きいといびきや無呼吸の原因になります。 

扁桃炎

扁桃腺はのどの奥、舌の付け根あたりの左右にあるリンパ組織です。ストレスや喉の乾燥、疲労などが原因で体の免疫力が落ちると細菌感染を起こし、この扁桃腺が炎症が起きるのが扁桃炎です。年に4回以上、扁桃炎を繰り返し発症するものは慢性扁桃炎と呼ばれます。

症状
発熱、喉の痛みが主な症状で、関節痛やだるさも出現します。炎症がひどい場合には食べ物を飲み込むときに強い痛みが生じます。重症化すると扁桃腺の周辺に膿(ウミ)がたまる扁桃周囲膿瘍を併発することがあります。
当院での治療方法
抗菌薬の処方と解熱鎮痛薬の投与が中心となりますが、症状に応じては点滴を行う場合もあります。早めの治療が必要で、病状がすすむと外科的な処置や入院が必要となる場合があります。
院長より
風邪の症状にも似た急性扁桃炎ですが、のどの痛みと高熱が特徴です。繰り返し扁桃炎を発症する慢性扁桃炎の方は扁桃腺の摘出も検討します。

喉頭・声帯の病気

声帯に炎症や腫瘍ができることにより嗄声や呼吸困難がおこります。
声帯ポリープ、結節、ポリープ様声帯など良性の病気から、喉頭癌など悪性の病気が潜んでいる場合があります。
歌手や学校の先生など声を酷使する職業の方、また喫煙することによる火傷や刺激によりに声帯に異常が起こりやすくなります。

症状
声がかれる、声がかすれる、声を出そうとするとつまる、呼吸困難感など
当院での治療方法
内視鏡により声帯を調べ、声帯結節、声帯ポリープ、反回神経麻痺など病気の種類をまずは特定します。原因が分かった後、薬や吸入により炎症を抑える治療を行ったり、症状に応じては手術のできる病院をご紹介いたします。
喫煙することによる火傷や刺激、発声することによる声帯の負荷により病状が悪化することがあり、治療にともなって禁煙、発声を控えることが重要です。
院長より
声帯の異常を放置すると、声質が戻らなくなるなどの生活上の問題の他に、誤嚥の原因ともなり得ます。特にご自身が声をよく使う仕事に就いている場合などは早めのケアをするようにしてください。

咳嗽(がいそう)

アレルギーや風邪が落ち着いた後にも咳が長引くことがあります。
咳が長引くような場合にはその背景にアレルギーや副鼻腔炎などが隠れている場合があります。

症状
風邪や肺炎など明確な疾患が無いのに2週間以上咳が続く場合には副鼻腔炎の後鼻漏が原因による咳や、咳喘息、アトピー咳嗽などを疑う必要があります。
当院での治療方法
鼻腔から喉を詳細に観察し原因を調べ、症状に応じて治療法を選択します。
院長より
咳には色々な疾患が隠れています。昔に比べれば少なくなりましたが、大阪府内では今も結核が全国で一番発生数が多く、決して無視できる病気ではありません。咳が続くような場合には周りの方に心理的な迷惑をかけないためにも耳鼻咽喉科や呼吸器内科を受診して原因の特定と治療を行うようにしてください。

のどの違和感(咽喉頭異常感)

女性に多いと言われ、ストレスなどが原因の場合が多いですが、異常感を感じて受診をされ、検査を行った結果腫瘍などが見つかる場合もあります。
他に逆流性食道炎など胃酸の影響で異常感が出現する場合もあります。

症状
のどに異物があるように感じる、飲み込むときの違和感、呼吸がしづらく感じたりと咽喉頭の周辺で異常を感じている状態です。
当院での治療方法
まず、がんなどの腫瘍がないか調べることが重要です。当院では、内視鏡(電子ファイバースコープ・NBI内視鏡)を用いてのどの診察を行い、違和感の原因を探ります。病変が見られる場合にはその治療を行います。特段異常が見られない場合には必要に応じて異常感を和らげる薬の処方などを検討します。
院長より
しっかりと診断をつけることで、それだけで安心して違和感が消失するようなケースもあります。ご心配な方はまずは耳鼻咽喉科で検査をしっかりと行い腫瘍などが無いかを確認してください。腫瘍などの病変がなく違和感が続くような場合には必要に応じて他科とも連携しながら改善に努めます。

甲状腺の病気

  • のどの下のほうに甲状腺があります。
  • 甲状腺では甲状腺ホルモン(体を元気にうごかすホルモン)を作っています。
  • 甲状腺の機能が過剰となるバセドウ病、機能が低下する橋本病があります。
  • また甲状腺には腫瘍ができることもあります。

甲状腺の機能が過剰となると動悸や多汗、低下すると体のむくみやだるさがでてきます。
甲状腺ホルモンの機能は血液検査を調べることができます。

甲状腺の腫瘍はある程度大きくならないと症状がでてきません。
超音波検査をすることにより調べることができます。

甲状腺腫瘍

甲状腺の腫瘍は良性と悪性があります。
悪性の場合でも多くはゆるやかに進行するものが多くしっかりと治療を行えば過剰に恐れる必要はありません。

症状
初期の段階では症状はほとんど無いため、首のしこりがあったり、健康診断などで超音波検査を行った場合に見つかる場合が多いです。腫瘍が大きくなると声のかすれや食べ物を飲み込んだ際の違和感などが生じます。
当院での治療方法
超音波検査(エコー)を行って診断を行います。腫瘍が見つかった際には腫瘍に針を刺し、細胞の一部を取り出して調べます。悪性の場合は手術が必要になりますが、サイズが小さい場合や他に合併症がある場合は経過観察しながら方針を相談します。
院長より
当院では超音波検査を使い、甲状腺腫瘍の診断や管理が可能です。首のしこりを感じたり何か心配な節のある方はお気軽にご相談ください。

こどもの病気

こどもの耳垢

こどもは代謝が活発であるため、耳垢が溜まりやすくなります。一方で外耳道(耳の穴)の皮膚は柔らかいため、耳掃除には注意が必要です。

症状
耳垢は通常は自然に体外に排出されますが、奥に押し込んだり、体質などで耳垢が外耳道に溜まったまま放置すると難聴の原因となり、子供の成長、学習にも悪影響となる場合があります。
当院での治療方法
しっかりとお子さんの頭を固定した上で専用の器具を使い、極力痛みの無いように耳垢を除去します。耳垢がこびりついて取れないような場合には耳垢を柔らかくする薬を処方し、ご自宅でそちらを使って耳垢をふやかしていただいてから再度来院いただいて除去を行いましょう。当院では赤ちゃんの耳掃除(耳垢除去)も行っています。
院長より
こどもは外耳道の皮膚が柔らかく、大人よりも痛みを感じやすいため、ご家庭では目で見える範囲で力をいれずに耳掃除をしてあげてください。それほど頻繁に行う必要はありません。特に生まれたての赤ちゃん(乳児)などで耳垢が気になるような場合には、(傷つけることがあるため)ご家庭で無理をして除去せず、耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。

こどもの中耳炎

急性中耳炎は多くの子供たちが一度はかかる病気です。風邪の後でウイルスや細菌が中耳に移行することで起こります。肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンの定期接種の普及により、難治性の中耳炎は減ってきているようですが、滲出性中耳炎に移行する場合は今も多く、しっかりと治療を行うことが大切です。

症状
急性中耳炎:特にこどもは耳の痛みや高熱が主症状です。高熱だけの場合はお子さんは元気である場合も。鼻水や咳などの風邪の症状を伴うこともあります。
滲出性中耳炎:耳の詰まった感じ(耳閉感)、難聴など、こども自身が自覚することは少ないため、声をかけても返事をしなかったり、テレビの音を大きくすることなどで親御さんが気付く場合が多いです。
当院での治療方法
急性中耳炎は細菌性、ウイルス性の両方が考えられるため、検査の結果や親御さんの意向を尊重しながら抗菌薬を投与するか、抗菌薬は使わずにお鼻の処置などで治療を行うかを検討します。鼓膜の腫れが強い場合には、必要に応じて鼓膜を僅かだけ切開して膿を排出させる治療を行います。
また耳と鼻をつなぐ耳管の機能が未発達なため、しっかりと鼻の治療を並行して行うことが大切です。
院長より
抗菌薬の適正使用が求められる中、極力抗菌薬を使わずに治療したい親御さん、お仕事の関係などから抗菌薬を処方してほしい親御さん、様々な背景を考慮しつつ、こどもの症状を勘案しながらお子さん毎に診療方針を決めてゆきます。

こどもの副鼻腔炎

副鼻腔と呼ばれる鼻の周りのいくつかの空洞に細菌やウイルスが感染して炎症を起こす病気です。急性と慢性があり、お子さんの急性副鼻腔炎は風邪から移行する場合がほとんどです。慢性化しないようにしっかりと完治させることが大切です。

症状
急性副鼻腔炎:鼻づまり、黄色(緑色)の粘り気の強い鼻水、頭痛など
慢性副鼻腔炎:鼻づまり、後鼻漏(鼻水がのどへ流れる)とそれに伴う咳、嗅覚の低下、鼻茸、集中力の欠如など
当院での治療方法
急性副鼻腔炎の場合には、細菌性のものか、ウイルス性のものなのかを検査や診察などで診断し、細菌性と推定される場合には抗菌薬(抗生物質)を処方します。ウイルス性のものは抗菌薬は無効のため、処置や鼻の洗浄を行いながら治療します。細菌性による慢性化が疑われる場合にはマクロライド系抗菌薬の少量長期投与や自宅での鼻洗浄の指導を行います。それでも改善が見られない場合には中学生以上のある程度の年齢に達した段階で手術を検討します。(手術の場合は病院をご紹介いたします。)
院長より
急性副鼻腔炎をしっかりと治療しないと慢性化する可能性があります。先代の院長が開院したころは、この横堤周辺でも慢性副鼻腔炎のこどもさんが大変多かったようです。今は薬や治療法の発達により慢性化する割合は減ってきていますが、慢性化すると集中力の欠如などから学習にも支障を来します。慢性化の未然の防止と、慢性化した場合でも治癒に向かわせながらの定期的な治療や症状のコントロールが大切です。

アレルギー性鼻炎

花粉症を含むこどものアレルギー性鼻炎が増加しています。春のスギ、ヒノキ花粉や秋のブタクサ花粉などの季節性のアレルギー性鼻炎と、ダニ(ハウスダスト)などの通年性のアレルギー性鼻炎に分かれます。

症状
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、アレルギー性鼻炎の3大症状です。花粉症などで症状が重い場合には鼻が詰まって呼吸ができなかったり、目や皮膚が腫れる場合もあります。また、アレルギーを発症するこどもは、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などその他のアレルギーの疾患もかかりやすい傾向にあります(アレルギーマーチ)。
当院での治療方法
お子さんの症状に応じて抗アレルギー薬や点鼻薬を処方します。スギの花粉症やダニが原因の通年性アレルギー性鼻炎のお子さんには→舌下免疫療法をお勧めしています。
院長より
指先から少量の血をとることでアレルギーの検査をすることが可能です。鼻炎が長引くと鼻出血や咳の原因にもなるため、症状が強い場合は相談してください。

鼻炎や副鼻腔炎が長引くと、鼻出血の原因となったり、勉強や運動に集中できなくなることがあります。ただ薬を続けて飲むことに抵抗がある方もおられます。
症状をみながら相談させていただきます。

アレルギー

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は日本人の約半数がかかっているといわれている国民病です。花粉症に代表される季節性のものと、ダニアレルギーなどの通年性のものがあります。

症状
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、アレルギー性鼻炎の3大症状です。症状が重い方は鼻炎に伴って発熱のある場合もあります。
当院での治療方法
抗アレルギー薬の服用やステロイド点鼻薬などを症状に合わせて組み合わせて処方します。最近では1日1度服用すれば、しっかりと効果を発揮してくれる薬も出てきています。ただし、それぞれの薬は症状を抑えたり、未然に防ぐためのものなので根本的にアレルギーを治療することはできません。根本的な治療としては下記の舌下免疫療法をご覧ください。
院長より
花粉症で苦しまれている方も多いと思います。当院では花粉が飛散する直前から服薬を開始して症状を未然に抑える初期療法も実施しています。スギ花粉の患者さんで初期療法を希望される場合は1月下旬~2月の間に受診してください。

舌下免疫療法

スギ花粉症、ダニのアレルギー性鼻炎が根治できる可能性のある治療法です。

当院での治療方法
アレルギーの検査を行った上で、スギ花粉やダニのアレルギーに反応が認められる方は舌下免疫療法を受けることができます。毎日お薬を服薬し最低2~3年、できれば5年間続けていただく必要があります。ただし、8割以上の方が効果を実感している治療法なので特にお子さんなどは取り組んでいただく価値があります。
院長より
当院ではスギ花粉症、ダニアレルギー共に5歳以上のお子さんから治療が可能です。
アレルギーのあるお子さんには将来のことも考えて検討する価値のある治療法です。

好酸球性副鼻腔炎

副鼻腔炎の中でもアレルギー体質が要因となる難治性のものです。抗菌薬が効きないことが特徴です。

POINT
  • 嗅覚障害や多発する鼻茸があり、手術後も再発しやすい難病に指定されています。
  • 気管支喘息を併発することが多く、包括的な治療が必要です。
症状
嗅覚の低下、後鼻漏、粘り気のある鼻水、鼻茸(ポリープ)が主な症状です。
当院での治療方法
ステロイドでの内服投与を行いますが、症状が良くならない場合には手術も検討します。
院長より
難治性のものの中には喘息を併発している場合もあります。手術を行うことで多くの症例が改善しますが、最近では生物学的製剤の注射による治療も始まっています。

頭頸部・口腔の癌

あらゆる場所に癌ができる可能性があります。
早期に診断することが重要で、気になる症状があれば放置しないようにしましょう。

口腔がん(舌がんや歯肉がん)

POINT
  • 口腔内のがん(とくに舌がん)は若い年齢でもできやすく、口内炎がなかなか治らないときは注意が必要です。
  • 飲酒や喫煙、また歯並びが悪く口の中の衛生状態が悪いことが原因になります。

鼻腔がん・副鼻腔がん

POINT
  • 鼻出血や顔面の腫れで気づくことが多い。
  • 症状がでにくく、カメラやCT検査が必要になります。

喉頭がん

POINT
  • 嗄声(声がれ)で気づくことが多い。
  • ほとんどの場合喫煙が原因です。

咽頭がん

POINT
  • 扁桃腺周囲のがんはウイルスに関連していることが多く、最近増加傾向です。
  • 下咽頭がん(のどの下の方)は飲酒と喫煙が原因です。食道がんを合併するケースも多い。

院長より

頭頸部癌(のどや口腔、甲状腺がん)は早期発見すれば十分根治を目指すことが可能です。
現在定期的に大阪国際がんセンターでも外来診療をしており速やかな連携が可能です。